保育園や幼稚園には、鶏やヤギに羊、またはトカゲやカメレオン、季節の虫など、様々な生き物を飼育している事が多いです。では何故、飼育をしているのでしょうか。子どもが好きだから?いいえ嫌いで苦手な子もいます。
アレルギーを持っている子だっているでしょう。ではどうして飼育をしている環境が多いのでしょうか。
それは子どもの感受性を高めたり、自分の行動が相手にどのような影響を与えるのかを学ぶことができるから。
この記事では、子どもが感受性や相手に与える影響から何を学んでいくのか、順番に紐といていきたいと思います。
感受性ってなに?
よく「感受性が高い」という言葉を耳にすると思いますが、簡単に言うと「出来事を自分の事と重ねられる力」のことを言います。
ドラマを見て感動して涙した。スポーツを見て興奮した。全て自分の事に置き換えて感情を動かしているんです。
子どもはまだその力は発達段階ですし、自分を中心に世界が回っていると無意識に考えて行動する時期と言えるでしょう。
ですが、感受性を育む一つの方法として、「動物を飼育する」ということがあり、保育園や幼稚園ではこれを有効的に活用しているというわけです。
動物に対する気持ちや態度が人格を形成する?
上記では感受性について触れました。
では、動物に接する中でどのような場面があるでしょうか。
餌をあげたり、撫でて可愛いがったり、カゴや柵の中を掃除したり、卵を収穫したり、様々な出来事があります。
そして子どもは不思議とこの作業を進んでやりたがるのです。
それはなぜか。「生態系的に自分より下の生物の世話なら出来るから」
子どもは親の世話はできません。おじいちゃんのお世話もできません。
でも、ハムスターに餌をあげることは出来ます。
そして子どもは、その行為の中で「新しい存在理由を感じる」のです。
親から守られてばかりだった日常から、何かを守る立場に変わった時、子どもは飛躍的に成長します。
それは、自分も親から受けた優しさや愛を動物に与えることで、充実感を感じることが出来たから。
相手は言葉を発することはありません。
ですが、子どもが生き物を思って行った行動が、生き物の行動に現れるからです。
命の儚さや重みを感じることが成長のカギ
筆者は中学2年生の時にハムスターを飼っていました。ある真夏の出来事です。
親から「暑いからクーラーの効いた部屋に移しておいて」と頼まれました。
リビングには誰もおらず、自分の部屋はクーラーが効いていたので、そこに移すつもりでした。
しかし、僕はすっかりそのことを忘れていて、残念なことにハムスターは暑さに耐えられず命を落としてしまいました。
この体験が、僕の生き物に対する考え方を根本的に変える出来事になったのはいうまでもありません。
ただ可愛いからという理由で命と向き合うのは間違いなのだと気づきました。
では子ども達は幼少期から動物や虫達に触れ、餌をやり続けるが寿命を迎える物を見送る。
土に埋めたり引き取ってもらったり、最後は様々ですが、子ども達にとってそれは特別な出来事なわけです。
子ども達からすれば、親と同じように大人になる、祖母と同じように老人になる、
そんなビジョンが無意識に芽生えるでしょう。
でも、他の生き物はそうじゃない事に気づく。
季節ごとに生きられる生き物とそうじゃない生き物が居る事にも気づく。
動物や虫と接する中で命について学んでいくんですよね。
人間性を育む1ピース
自分が生き物にやってあげられたことの積み重ねが、「自分の事に置き換える力」に変わると思っているのですが、
「何をどうした喜んでくれるかな」と考える中で、生き物と接する時間とは別に、今度は自分が周りから刺激を受けて
喜びや悲しみを感じていく。誰かの気持ちを考えつつ、自分の気持ちにも気づいていく、そしてそれが繋がった時、
人間性を育んでいくピースの一つになるのではないかと思うのです。
最後に
今回は子どもと動物や虫達が関わっていく中で、子どもは何を感じることが出来て、成長する部分は何なのかについて
解説しました。
子どもが出来事に触れて感じることはその瞬間瞬間に詰まってます。
自分でも何を感じているのかわかっていないこともあるでしょう。
その場合は、「優しさ」「思いやり」「命の大切さ」など、大人が子どもの気持ちをわかりやすく噛み砕いて伝え、
認識できるようにサポートしてあげることも大切と思います。
感受性豊かに人間性を育んでいけるような、関わりが親としても保育士しても目指していきたいところだなぁと自分でも感じました。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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