📚絵本と育む語彙力 — 語りかける毎日が宝に変わる
「言葉が出てこない」「語彙が増えない」と不安になる日、ありますよね。私も毎晩、寝かしつけのあとにふと考えます。 でも、絵本は単なる読み聞かせを超えて、**語彙の種を蒔き、考える力を耕す道具**になります。今日は、保育士であり父として日々実践してきた<絵本と語彙育成>の深い話を、実体験と哲学的な視点を交えてお届けします。
📑 目次(クリックで開く)
2. 絵本で育つ語彙力:メリット5選
3. STEP1〜STEP5(実践フロー & 父の体験談)
4. 偉人の言葉と哲学的な深掘り
5. まとめ(チェックリスト風)
✨ 絵本で育つ語彙力:メリット5選
日常語から擬音語、抽象語まで段階的に習得。
物語を通し「原因・結果」「気持ち」を言葉で表せるように。
登場人物の言葉を真似することで言い換え力がつく。
感情を言葉にする練習が、コミュニケーションを滑らかに。
語彙は考えるための道具。言葉が増えれば世界が詳しく見える。
🛠 STEPで進める実践フロー
📘 観察から始める — 絵を「読む」習慣
まずは絵本の絵を一緒にじっくり見る時間を作る。名前を当てる、色を探す、指で追う。ここで得る語彙は「見える言葉」——色・形・動作など、具体語が増えます。
初めて息子と「ねずみの絵本」を見たとき、ページの一番端に小さな葉っぱがありました。急いで読み進めずに「これ何に見える?」と聞くと、最初は「わかんない」と言っていたのに、数回繰り返すうちに「葉っぱ」「ちっちゃい」「ふわふわ」など言葉が出始めました。僕はその小さな言葉を拾って褒め、別のページで同じ感触を探す遊びに発展させました。観察する習慣が、語彙の「入口」を作ってくれた体験です。
🗣 言い換え遊び — 同じことを違う言葉で
絵本の一文を別の言い方で表現してみる。子どもの言葉を受け止めてから大人が別表現を示すと、語彙のネットワークが広がる。
娘が「おいしい」としか言えなかった頃、僕は即座に「どんなおいしさ?」と返しました。すると「すっぱい」「甘い」「しょっぱい」「ふわっとする」と少しずつ細かい言葉が増え、食べ物や風景の表現にも広がりました。絵本の味の描写を拾って「別の言葉」を示すことが、言い換え力を育てる近道だと感じます。
🧩 比喩・擬音を楽しむ — 想像力と言葉を結ぶ
「ゴロゴロ」「ふわっ」「ピカッ」などの擬音語や簡単な比喩を一緒に遊ぶ。比喩は抽象語の土台になる。
ねこのページで「猫がゴロゴロ」とあるとき、僕は自分で胸の上でゴロゴロ音を再現しました。最初は真似するだけだった息子が「ゴロゴロって気持ちいいね」と表現するようになり、その後「コロコロ」「サラサラ」と違う擬音を自分で当てはめる遊びが始まりました。擬音を使った遊びが、抽象語への橋渡しになった体験です。
🔁 ロールプレイで「言葉の場面」を増やす
絵本の場面を演じることで、場面に合った語彙やフレーズが身につく。感情や行為を言葉で外化する練習。
一冊の絵本で「お医者さんごっこ」をした時、息子が「痛い」「ちょっと怖い」と言えたのが印象的でした。僕は「大丈夫、ここを優しく触るよ」とか「深呼吸してみようね」と言葉を添え、プレイの中で使える表現が増えました。実際の体験に近い演技が、語彙を使えるものに変えてくれます。
📚 読み継ぎと語彙ノート — 言葉の記憶を定着させる
気になった言葉を小さなノートに書いたり、イラストと一緒に貼る「語彙アルバム」を作る。振り返りが定着を加速する。
我が家では「ふしぎカード」という小さなメモ帳を作りました。子どもが新しい言葉を言うたびにイラストを添えて貼ると、数週間後にそのカードを見返して遊び出します。書く・見る・話すの三点セットが、語彙を単なる通過点でなく「自分のもの」にしてくれるんだと実感しました。
🎓 偉人の言葉と、絵本が教えてくれること
→ 絵本は大人が教える道具ではなく、子どもが自ら意味を見つけるための触媒です。観察と対話によってその力は花開きます。
→ 語彙は単語の暗記ではなく、経験と結びついた意味の器。絵本がその経験を安全に与えてくれます。
→ 大人との“言葉の共同作業”こそが語彙を飛躍させる。読み聞かせは共同活動の典型です。
→ 日々の読み聞かせや遊びは教育の連続性そのもの。絵本は生活と言葉をつなぐ橋です。
哲学的に言えば、語彙は世界を「切り取り、名前をつける」ためのレンズです。言葉が増えるということは、ただ情報量が増えるだけでなく、世界の見方そのものが精緻になる――それは子どもの存在そのものを豊かにする営みです。
✅ まとめ(チェックリスト)
最後に一言。言葉は量でも速度でもなく、「つながりの深さ」で育ちます。あなたが隣で目を見て、本をめくり、たった一つの言葉に笑ってくれる――それが何よりの肥料になります。小さな日常が、大きな語彙の庭を育てますよ。
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