子どもの「描きたい」を、そっと見守るだけでいい。
クレヨンの先が紙の上をすべる音。そこに生まれる線や色は、まだ意味を持たない“心の声”のようなもの。 「うちの子、ぐちゃぐちゃばっかり…」なんて思う日もあるけれど、それこそが成長の始まり。 大人のように「上手に描く」ためじゃなく、子どもは**“今を描いている”**んです。 哲学者 アリストテレス はこう言いました。
クレヨンはただの道具ではなく、子どもの“心を映す鏡”です。 今回は、そんなクレヨンの世界に親子で一歩踏み出すためのステップを紹介します。
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- STEP1:クレヨンの「におい」と「感触」を楽しむ
- STEP2:紙いっぱいに自由に描く
- STEP3:色が混ざることを“失敗”としない
- STEP4:「何を描いたの?」と聞かない勇気
- STEP5:描いたあとに“ことば”を育てる
STEP1:クレヨンの「におい」と「感触」を楽しむ
最初に大切なのは、描く前に“感じる”こと。 クレヨンのあたたかいロウのにおい、指先に伝わる少しザラッとした質感。 それを知ることが、創造の入り口になります。
STEP2:紙いっぱいに自由に描く
大きな紙を使って、体全体で描くと、心も大きく動きます。 「はみ出してもいい」「自由にしていい」と伝えるだけで、 子どもの表情はパッと変わります。
STEP3:色が混ざることを“失敗”としない
大人にとって“にじむ”は失敗かもしれません。 でも子どもにとっては、新しい世界の発見。 混ざることでしか生まれない美しさがあります。
STEP4:「何を描いたの?」と聞かない勇気
絵には“言葉にならない気持ち”がたくさん隠れています。 大人がすぐ意味を求めると、子どもの心の扉が静かに閉じてしまう。 問いかけるよりも、ただ「きれいだね」「たくさん描けたね」と受け止めてみましょう。
STEP5:描いたあとに“ことば”を育てる
絵を描いたあと、「ここが好き!」「この色すごいね」と会話を広げていくと、 心の中の感情が少しずつ“言葉”として育っていきます。 クレヨンは、**ことばの芽を育てる土壌**なんです。
今日のクレヨン時間をもっと豊かにするチェックリスト
- におい・感触を味わう時間をつくる
- はみ出してもOK!紙いっぱいに描かせる
- 混ざる色を楽しむ(失敗ではなく発見)
- 意味を問わず「描けた」ことを喜ぶ
- 描いたあとに“ことば”で気持ちを育てる
子どもたちの描く一枚一枚は、完成を求めない“いま”の記録。 それを大人がどう受け止めるかで、未来の創造力が変わります。 クレヨンの線の中には、**小さな哲学**が隠れているのかもしれませんね。
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