私たち保育士が耳にする頻度が多く、研修でも題材になることが多いADHD。
また、芸能人やSNSでもADHDを発信の内容に盛り込むことが増え、誰でも聞いたことのあるものになりつつありますね。
実際に少し噛み砕いてADHDとは何のか解説したいと思います。
3つの種類と症状・特徴がある
・不注意
自分の好きなことについて考えたり取り組んだりしていると、周囲の人に話しかけられても気づかず「無視をした」と誤解されることもあります。
それくらい気に入ったことや、気になったことにのめり込む傾向にあります。
・多動
動いていないと気分的に落ち着かないだけでなく、無意識のうちに身体が動いてしまう、感情や欲求のコントロールが苦手などの特徴があります。
・不注意+多動
「不注意」と「多動性および衝動性」の特徴をともに満たしているタイプ。
よく見られる具体的な行動
✅落ち着きがなく注意を持続することが難しい
授業中立ち歩く、または途中でどこかに行ってしまう。
✅気が散りやすい。集中力が続かない。
与えられた課題の途中、別のことに手を出してしまう。
✅失くし物や忘れ物をしやすい。
失くし物や落し物が多い。宿題など忘れ物をすることがよくある。
✅ルールを守ることが難しい。
衝動を抑えることが難しい、待つことが苦手で、列に並ばずに割り込みをしてしまう。
✅指示は理解できても、従うことが難しい。
静かにしてください」と言われても、おしゃべりを続けてしまう。
「注目してください」と言われても、すぐに他に関心が移ってしまう。
治療について
ADHDへの治療は大きく分けて「療育(発達支援)」と「薬による治療(薬物療法)」の2パターンがあります。
「療育(発達支援)」では、過ごしやすい環境の整備(不必要な刺激を減らし、課題や目標に集中しやすい構を作る)をしたり、子どもが社会参加するために必要なスキル(集団活動するためのコミュニケーションや自己コントロールするための方法など)を身につけるための支援をおこないます。
「薬による治療(薬物療法)」では、脳内の神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリンなど)の調整をおこなうために処方され、主に注意や衝動制御の作用があります。処方される薬によって効果が出るまでの期間や一日の服薬回数、副作用などが異なってきますので、主治医と相談しながら現在の状況に合わせて処方してもらいましょう。基本的には環境の整備などで対処できる場合はそちらを優先します。ADHDの症状によって生じる二次的な問題(対人関係のトラブルや学力不振によって生じる自尊心の低下など)などを防ぐために薬物療法を用いられることが多いです。
望ましい接し方
ADHDの症状のある人はその特徴から叱られることが多かったり、大人の目の届くところで活動することが多くなると思います。自分に自信が持てずに、色々な方面で支障をきたしてしまうこともあります。なので、具体的に下記のことに気をつけて接してみるようにしてみて下さい。
✅できないことより、出来ることに注目する。
✅強みに目を向ける。
✅失敗しないために事前の声かけをする。
✅動ける時間を設けて、静と動のメリハリをつける
✅一緒に対策を考える。
まとめ
ADHDの子どもたちは、わざと話を聞いていなかったり、わざとルールを守らなかったりするわけでは決してないんです。
脳の仕組みがその部分だけ少し異なるだけなんです。
必要なのは十分に認めてあげることと、怒られることが少し多い分、沢山褒めて伸ばしてあげることです。
子ども本人ではなかなか気がつけない長所を親の立場から目一杯フォローしてあげて下さい。
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